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制度・費用

中小M&A資格の登録制度と更新。合格後に何が続くか

先に結論

合格後は「登録 → 登録講習の修了 → 一定期間ごとの更新(誓約書の提出と更新講習の修了)」が続く設計で検討が進んでいます。2026年7月21日の中小企業庁の検討会資料では、登録時の要件案として試験合格・誓約書の提出・登録講習の修了・欠格事由に該当しないことの確認が示されました。ただしいずれも検討中の案で、合格者の資格有効期限は期限なしとする案と一定期間を設定する案が並ぶ段階です。講習の費用・実施団体は未公表です。

この記事の結論

  1. 01

    合格者を登録・管理する制度を前提に設計が進んでおり、登録時の要件案は「試験合格」「誓約書の提出」「登録講習の修了」「欠格事由に該当しないことの確認」の4点に整理されている。

  2. 02

    更新時の要件案は「誓約書の提出」と「更新講習の修了」。登録時・更新時いずれの講習も「M&A実務」・「倫理・行動規範」を中心とした内容とし、E-learning形式等での受講が想定されている。

  3. 03

    登録者は「登録者検索システム」(仮称)で氏名・登録番号・登録年月日・所属先名を公表する案が示され、このうち所属先名は「任意記載とするなどもあり得る」とされている。

  4. 04

    合格者の資格有効期限は「期限なし、又は、3~5年などの一定期間を設定」の二案が示された段階。登録継続期間は別の観点として「3~5年を想定」とされており、いずれも今後の検討項目に残っている。

  5. 05

    講習の費用・実施主体と具体的な回数・時間数、試験の正式名称・試験日・受験料はいずれも未公表(試験の実施を受託する事業者は株式会社銀行研修社に決定、2026年5月1日公表)。維持費の総額を現時点で算出することはできない。

01

第4回から第5回で具体化した点(最終確認日:2026-09-10)

論点2026年3月17日・第4回検討会 資料22026年7月21日・第5回検討会 資料2
制度の呼び方本文の呼称は「中小M&A資格試験」。「合格者登録制度も併せて運用予定」と記載本文の呼称は「中小M&A資格試験」。参考欄に引用された政府方針で「中小M&A支援資格制度(仮称)」の創設を目指すと記載
登録時の要件倫理規程の遵守、違反時の処分(氏名公表等)への同意、登録時および定期的な講習の受講が要件として想定「試験合格」+「誓約書の提出」+「登録講習の修了」+「欠格事由非該当の確認」の4点として整理
更新時の要件「定期的な講習受講等を要件とし」と記載「誓約書の提出」+「更新講習の修了」
講習の中身講習内容の具体化なし「M&A実務」・「倫理・行動規範」を中心とした内容とする案。最新の法規制・税制改正の紹介、ガイドラインの内容説明、トラブル事例の紹介等が想定される
公表の方法「登録者はデータベースに氏名公表」「登録者検索システム」(仮称)で氏名・登録番号・登録年月日・所属先名を公表。所属先名は「任意記載とするなどもあり得る」
合格者の資格有効期限記載なし対応方針(案)は「期限なし、又は、3~5年などの一定期間を設定」
登録継続期間登録継続期間の記載なし。講習の頻度として「1~2年ごと等を想定」対応方針(案)は「3~5年を想定」。更新までの期間中に必要な時間/回数の講習受講を要件化する想定
欠格事由記載なし行為能力・破産、刑罰歴・暴力団関係、再登録不可期間に該当する場合 等
誓約書の内容記載なし倫理・行動規範の遵守、取消事由に該当した場合の登録取消措置への同意 等
登録の取消し登録要件として、倫理規程に違反した場合の処分(氏名公表等)に同意することを想定取消要件として「欠格事由に該当したとき」「不正な手段で登録を受けたとき」「資格者としての信頼を失墜させる、不正・著しく不当な行為を行ったとき」を想定。併せて登録者の取消事実等の公表も想定
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02

まだ決まっていない6つの論点

第5回検討会の資料では、登録・管理制度について「今後検討が必要な主な観点」として次の6点が挙げられています。

  1. 合格者の資格有効期限
  2. 登録時の要件
  3. 登録継続期間
  4. 登録者の公表方針
  5. 登録取消等の対応方針
  6. 更新時の要件

要件そのものが検討対象として残っている以上、「取得後に毎年いくらかかるか」を今の時点で算出することはできません。維持費の試算や更新スケジュールを具体的な数字で示す情報に出会ったら、出典が第4回・第5回資料のどこにあるかを確かめてください。

03

確定・案・未公表の切り分け

項目いまの状態根拠
合格者を登録・管理する制度を設ける方向資料に方向性として明記第5回資料2「中小M&A資格試験合格者の登録制度を運用することが重要」
登録時・更新時の要件検討中の案第5回資料2。「今後検討が必要な主な観点」に②登録時の要件・⑥更新時の要件が含まれる
講習の内容検討中の案第5回資料2。「M&A実務」・「倫理・行動規範」を中心とした内容とする案。E-learning形式等での受講を想定
登録者の公表項目検討中の案第5回資料2。所属先名は「任意記載とするなどもあり得る」とされている
合格者の資格有効期限検討中(二案が併記)第5回資料2「期限なし、又は、3~5年などの一定期間を設定」
登録継続期間検討中の案第5回資料2「3~5年を想定」。上記の有効期限とは別の検討項目
講習の費用・実施主体、具体的な回数・時間数未公表金額・実施主体・具体的な回数を示す記載が見当たらない(頻度は第4回資料に「1~2年ごと等を想定」、第5回資料に「必要な時間/回数の講習受講を要件化する想定」とあるのみ)
試験の正式名称・試験日・受験料未公表(試験の実施を受託する事業者は株式会社銀行研修社に決定。2026年5月1日公表)公表資料に記載が見当たらない

試験そのものの最新状況は、本体サイトの試験情報で確認できます(当メディア運営者が提供するサービスです)。

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立場別・この情報の使い方

あなたの立場特に見るべき論点いま取れる行動
仲介・FAの実務者登録取消等の対応方針と誓約書の内容。取消事実等の公表も想定されている中小M&Aガイドライン第3版の倫理・行動規範を業務手順に落とす(倫理・行動規範の学び方)
金融機関でM&Aを担当登録者の公表方針。所属先名は「任意記載とするなどもあり得る」とされている社内の兼職・氏名公表の規程と照らし、公表される項目を先に確認しておく
士業としてM&Aに関わる資格の有効期限と登録継続期間(資料上は別の検討項目)。既存資格の更新負担との重複機関単位の登録制度との違いを整理する(M&A支援機関登録制度と資格の関係)
事業会社のM&A担当登録者検索システム(仮称)の公表項目支援機関を選ぶ際の確認材料として、公表項目が確定するまでの動きを追う
これから業界に入る人登録時の要件と講習の中身維持コストが確定していない前提で、まず無料の一次資料で基礎を作る
05

注意点・よくある失敗

  • 検討中の案を確定した義務として社内や顧客に説明する(第5回資料は「精査・検討予定」と明記しています)。
  • 合格者の資格有効期限が「3~5年」で確定したと理解する(「期限なし」とする案も併記されています)。
  • 資格の有効期限と登録継続期間を同じものとして扱う(資料では別の検討項目として整理されています)。
  • 所属先名が必ず公表されると理解する(「任意記載とするなどもあり得る」とされています)。
  • 更新費用を推測で見積もり、取得可否の判断材料にする(金額・実施主体を示す公表資料はありません)。
  • 既存の民間資格の更新制度と同じ設計だと決めつける(設計主体も枠組みも異なります)。
  • 「登録されれば案件が来る」と読み替える(登録は倫理面の担保を可視化する仕組みで、成果を保証するものではありません)。
  • 機関単位のM&A支援機関登録制度と、個人単位の合格者登録制度を同じものとして扱う。

よくある質問

検討会資料では、登録時に誓約書の提出、登録講習の修了、欠格事由に該当しないことの確認が要件案として示されています。合格だけで登録が完了する設計は示されていません。いずれも検討中の案で、確定した手続ではありません。

「登録者検索システム」(仮称)において氏名・登録番号・登録年月日・所属先名を公表する案が示されています。このうち所属先名は「任意記載とするなどもあり得る」とされています。公表項目は「今後検討が必要な主な観点」の一つとされており、確定していません。

2026-09-10時点で、講習の費用・実施主体を示す公表資料は見当たりません。頻度については第4回資料に「1~2年ごと等を想定」、第5回資料に更新までの期間中に必要な時間/回数の講習受講を要件化する想定との記載がありますが、具体的な回数・時間数と金額を書ける段階ではありません。

取消要件として「欠格事由に該当したとき」「不正な手段で登録を受けたとき」「資格者としての信頼を失墜させる、不正・著しく不当な行為を行ったとき」が想定され、併せて登録者の取消事実等を公表することも想定されています。登録時に提出する誓約書には、取消事由に該当した場合の登録取消措置への同意等が含まれる想定です。

別の仕組みです。M&A支援機関登録制度は機関(法人・個人事業主)を単位とする登録で、合格者の登録制度は個人を単位とします。両者の違いはM&A支援機関登録制度と資格の関係で整理しています。

判断材料は目的によって変わります。維持コストが確定していない点を重く見るなら公表を待つ選択もありますが、M&A実務や倫理・行動規範の理解が求められるという方向性そのものは、第4回から第5回の資料を通じて変わっていません。取る意味の整理は中小M&A資格を取るメリットにまとめています。

更新・訂正履歴

  1. 最終確認

    記載の数値・制度情報を、一次資料・公式情報で確認しました。

  2. 初回公開
開示

比較と利害関係について

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