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M&A資格比較

M&Aに国家資格はある? M&A資格の一覧と選び方

先に結論

M&Aの仲介・FA業務を行うために必要な国家資格は、2026年10月27日時点でありません。中小企業庁の検討会資料は、仲介・FA業務を「各士業の独占業務(弁護士法第72条、税理士法第52条等)に抵触しないことを前提とする」と記しており、仲介・FAを士業の独占業務として扱っていないためです。ただし、国(中小企業庁)が運営主体となる中小M&A資格試験が令和8年度を初回として始まる予定で、「稼ぐ力」強化戦略(案)は資格制度と登録制度の「法制化を目指す」と記しています。

この記事の結論

  1. 01

    M&Aの仲介・FA業務を行うために必要な国家資格は、2026年10月27日時点でない。検討会資料は仲介・FA業務を士業の独占業務として扱っていない。ただし各業法の独占業務にあたる行為は、資格のない者は行えない。

  2. 02

    M&A資格は「国(中小企業庁)が運営主体となる試験/民間の検定・実務家認定/隣接する士業の国家資格」の3層で捉える(当メディア編集部の整理)。士業が独占するのは各業法が定める業務で、M&Aの仲介・FA業務そのものではない。

  3. 03

    令和8年度、第1層(国が運営主体となる試験)が初回を迎える予定。資格を選ぶときの基準が変わる。

  4. 04

    第2層は「試験だけ型」と「講座・会員制度セット型」に分かれ、費用と位置づけが大きく違う。

  5. 05

    一覧を眺めるより、目的から逆引きするほうが選びやすい(記事末の逆引き表へ)。

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M&Aに国家資格はある?(最終確認日:2026-10-27)

M&Aの仲介やFAの業務そのものを独占業務とする国家資格は、2026年10月27日に確認した政府資料には見当たりません。中小企業庁の検討会(第4回)資料2は、仲介・FA業務について「仲介・FA業務は、各士業の独占業務(弁護士法第72条、税理士法第52条等)に抵触しないことを前提とする。」と記しています。この記述は、仲介・FA業務を士業の独占業務の外にあるものとして制度を設計するという意味です。税理士・公認会計士・弁護士・司法書士などは国家資格ですが、独占しているのはそれぞれの業法が定める業務であり、M&Aの仲介・FA業務そのものではありません。ただし、個別の法律相談や交渉の代理など各業法の独占業務にあたる行為は、資格のない者が行うことはできません。

新しくできる中小M&A資格試験については、中小企業庁の検討会(第4回)資料2が「中小M&A資格試験を中小企業庁が運営主体として実施予定。」と記し、実施体制として「民間の資格試験実施団体へ委託(毎期、公募により選定)」と示しています。委託先は毎期の公募で選ばれるため、特定の団体が恒久的に実施すると決まっているわけではありません。同じ資料には「本資格試験の合格は、既存の業法に基づく独占業務の実施を可能とするものではない」とも書かれています。実施時期については、中小企業庁の企画競争募集要領(令和8年3月27日)に「令和8年度試験が初回試験」と記載されています。

一方で、中小企業庁の「稼ぐ力」強化戦略(案)(令和8年5月)には、試験制度と登録制度を合わせて運用する「中小M&A支援資格制度(仮称)」を早急に創設することを目指す、と記されています。同じ資料は、これらの制度について「これらの制度の法制化を目指す。」としています。この「稼ぐ力」強化戦略(案)には「国家資格」という語は使われておらず、法案の提出時期も示されていません。「法制化を目指す」と書かれている段階と、法律に基づく資格が実在する段階は別物として読んでください。

時期公表された内容資料
2025年6月6日「中小M&Aアドバイザー試験を、まずは民間ベースでの取組として創設する方向で検討すべきではないか。」と提起中小企業庁 検討会(第2回)資料1
2026年3月17日中小M&A資格試験を「中小企業庁が運営主体として実施予定」。合格は既存の業法に基づく独占業務の実施を可能とするものではない中小企業庁 検討会(第4回)資料2
2026年3月27日試験実施事業の企画競争を公示。募集要領に「令和8年度試験が初回試験」と記載中小企業庁 企画競争募集要領
2026年5月1日試験実施事業の企画競争の採択先として株式会社銀行研修社を公表中小企業庁 採択結果
2026年5月資格制度と登録制度の「法制化を目指す」方針を記載中小企業庁「稼ぐ力」強化戦略(案)令和8年5月・資料1-2

2026年10月27日時点の制度の位置づけは、「法律に基づく国家資格ではないが、国が運営主体となる試験で、将来の法制化が目指されている」という段階です。制度の最新の公表状況は試験情報で確認できます(当メディア運営者が提供するサービスです)。

国家資格を持っていると試験が免除される?

国家資格の保有による試験科目の免除は、立ち上げ期には設定されない見込みです。中小企業庁の検討会(第4回)資料2は「試験(試験科目)免除の取扱いについては、少なくとも立ち上げ期においては設定しないことで一致した。」と記しています。同じ資料は、免除を論点として検討した際の整理として「必要性:国家資格(弁護士、公認会計士、税理士等)を有する者であっても、M&A関連のすべての知識に精通しているわけではない。」「許容性:免除対象となり得る国家資格に関連する科目(財務・税務、法務)は全体の一部であり、有資格者にとっての負担は限定的。」とも書いています。士業の方も、立ち上げ期は全科目を受ける前提で準備するのが安全です。

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M&A資格の体系マップ(最終確認日:2026-10-12)

M&A関連の資格は、中小企業庁が運営主体として実施する試験(中小M&A資格試験)、民間の検定・実務家認定、隣接する士業の国家資格の3層に分かれます。この3層は、中小企業庁の公表資料と各運営団体の公式ページをもとにした当メディア編集部の整理で、政府資料にこの区分が定義されているわけではありません(2026-10-12確認)。

第1層|中小企業庁が運営主体として実施する試験

中小企業庁が運営主体として実施する試験の状況(2026-10-12確認)
資格状況
中小M&A資格試験(正式名称未定)中小企業庁が2026年度創設予定。試験の実施は株式会社銀行研修社に委託(2026年5月1日公表)。合格後の登録制度(倫理規程遵守・氏名公表・定期講習)まで一体で設計。試験日・受験料等は未公表

第2層|民間の検定・実務家認定

民間の検定・実務家認定の運営団体・型・費用(単位:円、税込。ただし日本経営管理協会の入会費用・年会費は確認したページに税区分の記載なし。2026-10-12確認。事業承継士の受講料・受験料は2026年9月19日確認)
資格運営型費用の目安(税込)
事業承継・M&Aベーシック(金融業務3級)金融財政事情研究会試験だけ型5,500円
事業承継・M&Aエキスパート(金融業務2級)金融財政事情研究会試験だけ型7,700円
M&Aシニアエキスパート金融財政事情研究会(認定)講座セット型養成スクール受講料132,000円(通常価格)+認定試験11,000円
事業承継シニアエキスパート金融財政事情研究会(認定)講座セット型Web講義受講料132,000円(通常価格)+受験料11,000円
JMAA認定M&Aアドバイザー(CMA)日本M&Aアドバイザー協会講座・会員セット型講座198,000円+入会金33,000円+月額会費11,000円(入会金の免除条件は「JMAA正会員について」と「JMAA認定資格について」で書き方が異なる)
M&Aスペシャリスト日本経営管理協会(JIMA)試験+入会型入会費用38,000円(検定試験料11,000円を含む)+年会費33,000円。任意の講座77,000円
事業承継士事業承継協会講座・会員セット型(士業等が原則)受講料330,000円+受験料9,900円(いずれも2026年9月19日確認)+入会金11,000円(年会費11,000円)

第3層|隣接する国家資格(M&A専門ではない)

M&Aに関わる隣接国家資格とM&Aとの関係
資格M&Aとの関係
中小企業診断士経営全般の国家資格。M&A・承継は範囲の一部(詳しい比較)
税理士・公認会計士税務・会計の独占業務。M&Aの税務・財務DDで中核的役割
弁護士・司法書士法務の独占業務。契約・登記等でM&Aに関与
FP技能士資産・承継の相談業務。上位資格の受講要件に使われる場合がある(例:シニアエキスパートは1級FP技能士を受講資格の一つに設定)
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目的からの逆引き表

目的見るべき層と資格
国の新制度に備えたい第1層。試験情報で公表を確認しつつ基礎学習
安く早く基礎を証明したい第2層の試験だけ型(5,500〜7,700円)。初心者の順番
実務家の看板・人脈が欲しい第2層の講座セット型。講座型の選び方
士業として承継支援を拡げたい第1層+第2層の士業前提資格。税理士・会計士向け
転職の材料にしたい第2層の試験だけ型+第1層の動向把握。転職の準備順

表中の「中小M&A資格ナビ」(chusho-ma.jp)へのリンクは、当メディア運営者が提供するサービスです(開示)。

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この体系が2026年度に変わる理由

これまでのM&A資格は第2層(民間)だけで構成され、「どれが標準か」を判断する公的な物差しがありませんでした。中小M&A資格試験の創設は、初めて第1層=国の制度に紐づく資格が生まれ、登録制度を通じて「倫理を担保した支援者」を公的に見える化するという構造変化です。既存資格が無意味になるわけではありませんが、これから選ぶ人は第1層の動向を軸に据えるのが合理的です。

どの層から始めるか迷う場合は、新しい国の試験が扱う4領域(M&A実務、財務・税務、法務、倫理・行動規範)のどこが弱いかを先に確かめると、民間資格の選び方も決めやすくなります。無料の20問診断で確認できます(当メディア運営者が提供する無料サービスです)。

よくある質問

M&A資格の「権威の序列」を確定できる公的な根拠は、確認した公式資料に見当たりません。層と型(公的か民間か、試験だけか講座セットか)で性質が違うだけです。目的別の選び方は比較記事で整理しています。

中小M&A資格試験は、2026年10月27日に確認した政府資料の範囲では、法律に基づく国家資格ではありません。中小企業庁が運営主体となり、試験の実施は民間の資格試験実施団体へ毎期の公募で委託される形が示されています。初回となる令和8年度試験の実施事業は、企画競争の採択先として株式会社銀行研修社が2026年5月1日に公表されました。中小企業庁の「稼ぐ力」強化戦略(案)(令和8年5月)は、登録制度とあわせた資格制度の「法制化を目指す。」としており、今後の位置づけは変わる可能性があります。

中小M&A資格試験は国が運営主体となる試験で、支援機関の登録制度とも連携させる方向が中小企業庁の資料で示されています。仲介・FA・金融機関・士業としてM&Aに関わるなら、法制化を待たずに準備を始める意味はあります。

M&A資格を複数取る場合は、低費用の試験だけ型で基礎を固め、目的が固まってから講座セット型か新資格に進む順番が、費用の無駄が出にくい進み方です。

本記事は国内の中小M&A関連資格に絞っています。海外資格は対象・法制度が異なるため、本マップの比較軸では扱いません。

一次資料・参考資料

更新・訂正履歴

  1. 最終確認

    記載の数値・制度情報を、一次資料・公式情報で確認しました。

  2. 初回公開
開示

比較と利害関係について

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